「半身」

スカートのアンソロジーを読み終えてしまう。


今日読んだ中では吉川トリコ「半身」が印象的だった。理不尽なことも自ら「望んでやってるの」と言ったり、他人から「好きでやってるんだろ」と言われて片付けられてしまうような、主体性・自由のもつ負の側面を背負いこんだ女性のライフコース一例という感じでひええという感じだった。きよみの振る舞い、言ってみれば半生が「フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど」で示されているポストフェミニストと類似していて「これチャレンジで出たやつだ!」になったよね……。


主体性や自由は、周囲に善良な人(具体的に言えば何もかもを自分の物差しではかって周囲にもそれを強要するようなことをしない人)やものがいることではじめて活きる。それってあまりにも「運」すぎないかって思ったりした。


スカートのアンソロジーはどれも刺さって、ピンセットでも抜けなくて、そのまま指先に埋もれてしまう棘のような作品ばかりで面白かった。ちゃんと感想を書きたい。

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