はなうた

駐輪場に自転車を停めたら、隣の自転車のハンドルに蝉の抜け殻がくっついていた。瞬間、心が重くなった。なんだか歌になりそうなシーンだったからだ。義務がすべてをだめにしてしまう。陽が落ちるのがはやくなってから、帰り道に鼻歌を歌う人とよくすれ違うようになった。鼻歌はいい。最初から最後まで自分のためだけのものだから。

怒りで灯りをともせるということ。そうするためにまず自分のやり方を自分で肯定すること。それができていないと誰かに大丈夫だと声をかけても無責任になるだろう。ここからは人に頼っても頼られてもいいようになるための旅。そこにあるひかりをひかりだと言えるようになること。

0コメント

  • 1000 / 1000