フランク・ヴェデキント『ミネハハ』

「女の子」と「少女」は違うと思いつつも明確に言葉にできずにいるのだけれど、ここで描かれている、老いたものを嘲り、成長をけがれのように感じ、生殖を恐れる彼女たちは間違いなく「少女」だと思った。閉ざされた白い家で暮らし、水と戯れ、踊る少女たちの顛末は、今読むと少女に幻想を求める人々への皮肉のようにも捉えられてこれほんまに百年前の話なんか?という感じ……。老いた主人公が過去を振り返る形で語られるのだけれど、描かれていない部分が多く、感覚だけが残るような文章はまさに少女だったものの語りだなあと。無菌室のような白昼夢のような物語の雰囲気を縁取る清潔な文体も好きでした。だいぶ前に教えていただいたのですが、なぜもっと早く読まなかったのだろうという思い……。アイドルを語るときにも引用したいし、寄宿舎ものとしてもみれる。少女(の身体性)を語るのに欠かせないテキストですね。

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