朝の街

今日で慣らし保育が始まってから一週間が経った。昨日まではなにかしら付き添っている時間はあったけれど、今日からはじめて一人で最初から最後まで預かってもらった。
朝、家を出ると、小学生たちがランドセルを背負って歩いていた。今日から二年生だとか、留年したんじゃないかとか冗談を言いあっていた。朝日を照り返すランドセルを見ながら、こういう光景はここに住み始めてからはじめて見るなと思った。
泣く子どもを保育園に預け、家に帰る。強さとあたたかさが混じった昼の光と違って、朝の光は青白く澄んでいる。途中、ときどき昼ご飯を買うパン屋に寄る。いつもは焼き菓子が置いてある場所にもパンが並べてあって、一日を待っているように見えた。はじめて見る店のおじさんが奥からチョコデニッシュを持ってくる。私はそこからひとつトングで掴む。店をでて、チョコデニッシュで手のひらを温めながら帰る。8時過ぎの街ははじめて見るものばかりだった。
しばらくアンソロの原稿をすすめてからお蕎麦屋さんへ行く。信楽焼のうつわが綺麗で、次買うカップは信楽焼にしようと思う。
久しぶりに一人だけの時間を持った。子供が生まれる前はこれが当たり前だったことが、もう信じられなくなっている。

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