人生最後の日

慣らし保育最終日。子どもを預けてその足で電車に乗る。電車の床を滑る影を眺めながら、こんな朝はもう来ないと思うと憂鬱になる。

ツマガリへ行くも開いてない上にコーヒーショップは10時からと知り、ビゴの店でコーヒーを頼む。

開店とほぼ同時にツマガリへ。店先には日よけのテントが出されていた。店員さんが名乗ったおばあさんに名前を訊き返すとき「失礼します」と言い、おばあさんも意味を理解しもう一度名乗る。接客の上品さが甲陽園だなあと思う。

帰ってきてアンソロ。読みながら穴を埋めていく。まだ不安な部分はあるけれど、来週から平日書けなくても休日集中すればどうにかなるぐらいのところまではできたと思う。


15時になり子どもを迎えに行く。それからいったん帰って川沿いを歩く。こうして平日の昼間に二人で散歩するのも最後だと思いながら歩く子どもの背中を見る。平日の昼間に二人で散歩することはあるかもしれないが、次それができるとき、子どもはもうこの姿ではないと思うと泣きそうになる。今は今しかないことを、子どもがいるといつもいつも感じる。今日は特にそうだった。

子どもができないかもしれない。けれども子どもと関わりたいから保育士資格を取ったという瀬尾まいこさんのエピソードが今ならよく分かるなと思った。


走る電車に手を振る。電車の一番後ろに乗って離れていく駅を見つめる。スーパーに寄る。いつもの散歩で育休最終日を終える。

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