『Diary』あとがき

『Diary』をお手にとってくださりありがとうございます。そしてこのあとがきまで読んでくださりとても嬉しいです。


この話は過去の自分の日記を拾い集めて小説に仕立てたものです。


私は学生時代、寮で暮らしていました。けれども就活を始めた頃にはもう退寮していました。学生時代の友人とガッキーのドラマに難癖つけたことはあれど、それも退寮後で、そもそも寮にテレビはありませんでした。物事の本質は物質そのものにあるか、名辞にあるかという話は教授ではなく社会人になってから上司がしてくれました。ファミマの店員である友人のためにみんなで恵方巻きを買いみんなで集まって黙って食べました。それは本当です。ちなみにその友人は半年後ぐらいにファミマを辞めました。


いろんなときの、いろんな場所の私と、そこにいてくれた誰かの存在でこの話はできています。しかし明確なモデルはいません。本当かと言われれば本当だし、虚構かと言われれば虚構です。思えば程度の差はあれど、今まで書いてきた小説すべてそうだなと思います。


小説に対して(というかあらゆる文章に対して)「日記のようだ」という言葉が貼りつけられるとき、それはあまりいい意味合いではないと思っています。私はその言葉を読んだり聞いたりするとき、なんとなく言わんとしていることは分かりつつも、なぜそのような意味合いで使われるのだろうと結構前から疑問に思っていたりします。またコロナ禍になりこの日常を綴った書籍が多く出版され(こころなしか現代小説も話題書に日記のようなテイストのものが増えている気がします)、小説と日記の違いとはなんなのだろうとよく思うようになりました。多分これらはずっと考えていくことなのだろうと思います。


中学生のころ個人サイトに日記を綴り、また同じような年代の女の子たちの日記を読む日々を送っていた私はずっと、「日記をどうするか」ということに取り組んできて、小説を書くこともその延長にあるのだなとこのあとがきを書きながら思いました。


ゆえに私は人様の日記を読むのも大好きです。もしあなたが日記をweb上のどこかに書いていたら、よければ以下のマシュマロから教えてください。このマシュマロに直接日記を投稿してくださってもかまいません。(ツイッター上で公開されたくない場合はその旨お書きください)ちなみに私はこのサイトでだいたい毎日日記を公開しています。


https://marshmallow-qa.com/_____rrr?utm_medium=url_text&utm_source=promotion


この本を手に取ってくださったあなたの日々が穏やかでありますように。またどこかでお会いしましょう。


2022/01/16 りん

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