今日つぶやかなかったこと

自分の主張をなきものにされること、歪められること。それが最大の苦痛であるというような描写に最近よく出会う。

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舞妓さんにおけるあれこれに関して、ジロウさんのツイートがいちばんしっくりきた。感情や主義主張と切り離して物事を考え、それを言語化できる学者さんはすごいなと思っていたら、同じようなことがジロウさんの質問箱に寄せられていた。京都の裏側が暴露された!と騒ぐのもアレだけれども、この後に及んで「いやまあそんなこと自分は知ってましたけど」とマウントを取るような態度の人もままいてなんとも言えない気持ちになる。知っている上でどうしていくか、地元の人たちはずっと考えているというのに。


新胡桃さんの「何食わぬきみたちへ」読み終える。ここまで「軽蔑」というものに切り込んでいってくれる人がいることに救いのようなものを感じた。希望的に終わってくれたのがいいなあと思うし、希望的じゃなかったとしても繰り出される切実で真摯なフレーズの数々に私は安心していたと思う。
人種差別、女性蔑視、マイノリティへの差別。「社会問題」として取り上げられるそれらはつまるところ身近な人へのカテゴライズや見下しに、もう潜んでいる。そうした差別の種ともいえる存在がそのままに描かれているところに、信頼を寄せる。
「社会問題」に対して反対だと大きな声を上げているあの人、この人が、身近な人へと差し向ける態度に含まれる蔑みに無頓着なのはどうしてなのかという疑問を考えるのに、この作品は欠かせないと思った。

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