年をとる

ひとつ年をとる。こんな年になって祝われても嬉しくない、と母親が言うシーンがよくあるけれども、私は年をとれることも、それを祝ってもらうこともすごく嬉しい。多分、いくつになってもそうだと思う。

と言いつつ、これまでの誕生日について、こんなことしたなあとかいう明確な思い出はあまりない。強いていえば、先日の日記に書いた、二十歳の誕生日のことだろう。バックホーンと時雨の対バンを見に行って、その日は寮に外泊届を出していたから、蛸薬師のジャンカラに友人と泊まった。特に歌うこともなくただ眠り、起きると誕生日の朝だった。午前5時だかそれぐらい、20年前に自分の生まれた時刻のころ、誰もいない新京極を歩いて帰った。朝の空気は澄んでいて、身体はだるいのに、生まれ変わったような心地がしていた。

それ以外の思い出はたいしてないのに誕生日はうれしい、しあわせ、という感覚が身体に染みついている。そういう風に育ててくれた親に感謝している。私が楽観的なのは、いままで私の周りにいてくれた人たちが優しかったからなのだと思う。

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