完成

友人と遊ぶ予定だったけれどもコロナの影響で再々延期。もうすぐそこという感じがする。ちょうどペーパーができたところだったので自由港書店さんへ寄ることにする。

デザインをお願いした作品はともかく、自分で作った作品は完成品を受け取ったとき「やったー!」というより「ああ……」という気持ちの方が大きい。今回もそうだった。こんなものを置いてもらうようお願いしてもいいのだろうかという気持ちに苛まれる。そんなものを人に差し出すなと言われるかもしれないけれども、誰かがつくった「そんなもの」に私は心を動かされてきたと思っている。迷いのあるものに私は惹かれるのだと思う。

自由港書店さんではトナカイさんの『花が咲く頃の土』を買う。そこには誰かを導くような強く激しい言葉はない。ぴっちりと最後のピースまではめられた細工のような言葉の羅列でもない。ただ静かな言葉たちが並んでいて、そのどれもに余白があった。その余白が私を落ち着かせた。


寂しいのとおなじくらい
満たされていると感じること
「あじさい通り」P31


この一篇を読んだとき、私は小学生の頃の、雨の日の登校のことを思い出した。雨の匂いが鼻をかすめるあの感じを。余白は私と作品をつないでくれる。余白と迷いは似ている。


そしてペーパーの設置をお願いする。快く受け取ってくださりありがたい……。ペーパーをつくろうかなと言っていた頃から楽しみにしていますとお声がけくださっていたからできたようなものなので、いちばんにお渡しできて良かった。

それからは須磨水族館へ。こうしてふらりと寄れるのが須磨水族館のよいところ。帰りに再び自由港書店さんへ寄り絵本『6つの色』を買う。


こうして自分以外の人に手渡して、ペーパーが完成したなという気がじわじわわいてきた。もしほしいなという方かつ私に住所氏名明かしても良いよという方はDMください。さて次はどんなペーパーをつくろうかしら!

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