誠実に

土曜は自由港書店さんへ。取り置きしていただいていた土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』を。そして子どもに関する八木重吉の詩をまとめた『赤ちゃんと百年の詩人』を買いました。

この日、午前はいつも寄る公園で子どもと遊んでいたのですが、そこには子どもたちの像と重吉の詩が刻まれた石碑があるのです。いつかきちんと知りたいな(詩も達筆すぎて読めないし)と思っていたところ、『赤ちゃんと百年の詩人』を見つけたのでした。
詩や短歌を読むようになって、詩歌と子ども、そして子を育てる親との相性の良さというか、心への馴染みやすさをしみじみ感じています。それはやさしくて短い文章が忙しい親や文字の読めない子どもにも響きやすいという実際的な面ももちろんあるけれども、人と人との距離が近くなり、生きること、そして死ぬことについて日々考えるようになったり(これは思春期に詩のようなものを書き殴っていたのと似ているなと思う)、子どもが側にいることで足元の小さな花や真昼の白い月など気に留めなかったものに気づくこと、そしてそれらとともに生きていると感じることが詩歌のはたらきとつながっているからではないかなと思います。
そんな中で、現代より前はどんな詩歌が書かれていたんだろうという興味が湧いてきていたところで、この本に出会いました。これからゆっくり味わうように読みたいです。

あと自由港書店さんには日記本「今日は思い出す日」をさっそく置いていただきました。1冊署名とひとこと入りの本を用意して行ったのですが、ありがたいことにその場にいらっしゃったお客様がお買い上げくださり嬉しかったです。
その方は本を作りたい、でも自分の日常を本にして誰が買ってくれるのだろうと仰っていて、私と同じだと思った。自分の日記なんて誰が買ってくれるんだろうと。けれども今はただ誠実に、自分がいいと思う文章を書いて形にすれば、どこかに買ってくれる人はいて、そのうえ「いい」と思ったり、言葉にしてくれる人はいるということを知っている。ということをお伝えしたかったのだけれども、結局、「すぐにできます!やってみてください!」みたいな単純なことしか言えず。。でもやっぱりそれしかなくて、私もそれを続けようと思ったのでした。ただ丁寧に、誠実に書くこと。

そのあとは本の栞さんで、島田さんの新刊(ぎりぎりサイン入り〜!)とヨルさんとりなさんのインスタライブで話題にあげられていたヒロイヨミ社さんの「ある日、」を。

次はお隣のハニカムブックスさんへ。引っ越してからキッチンが広くなり、夕食も以前よりほんとにほんの少し手の込んだものができるようになり。すると子どもが以前より、これもほんとにほんの少しなんだけどご飯を食べてくれるようになり。もっと料理ちゃんとしたいな、できれば子どもと一緒に、と思っていたので『季節の食しごと』を。『だいくとおにろく』は以前、紙芝居を見たので買いました。ハニカムさんではいつもその時々の生活に直結するものを買っている気がします。近所にあったら毎週行くだろうなあ。フリーペーパー「murmur」も置いていただいています。

私はただ目の前にあることを書けば、歌えば、それでいいんだと思って、それがとてつもなく自由に思えた日。

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