王谷晶『完璧じゃない、あたしたち』

描かれている女たちはみんな不器用で、滑稽で、汚くて。けれども傷つけられた気にならないのは彼女たちと同じ高さから語られてるからなんだなと思う(めちゃリアル)。その一方でみんなどこか自由で奔放なのが印象的 23編の主人公は年齢や環境も全然違うし、一言でこうと表すことはできないけれど、読み終わる頃にはそういう、一つの女像がぼんやり浮かびあがってくる。一編が短いのもあって切れ味とドライブ感がすごかったし、読みながら純文学とエンタメの違いってなんなんだろうって思ったりもした。

0コメント

  • 1000 / 1000