水守糸子『モノノケ踊りて、絵師が狩る。』

「少女小説ガイド」で紹介されていて、京都が舞台だ〜と軽い気持ちで手にとった「モノノケ踊りて、絵師が狩る。」思いがけずとても良かった。羨望、執着、後ろ暗さ、幾重にも重なった感情を差し向けあう主人公二人の関係に惹かれて一気に読んだ。“かたちなきものを描き出すのが絵師の本分であるのだから”という作中のフレーズどおり、恋だけど恋じゃない、バディだけどバディではない、言葉にできない関係性がこの作品で見事に表現されている。物語に関係性を求めている人には必ず刺さると思う……。

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