今日マチ子『distance』

今日マチ子さんの『distance』を読む。そこに描かれていたのは、自身にも覚えのある不安、倦怠感だった。そんな同じようなトーンの日常の中に希望を見出す瞬間もまた、身に覚えのあるものだった。ページに横たわるそこにあった日。圧倒的な希望や喜びはない。けれども平熱の日々から今日さんの視点で切り取られるシーンには静かな余白と確かなドラマがあって、そこに流れているものは自分の日々に流れているものともつながっていると信じることができる。私たちは同じなわけはないけれど、同じな部分はあると信じさせてくれる。この本を開くとき、私は自身の1年を同じように思い出すことができるだろうと思う。

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