年末の京都旅行

2021/12/30

月屋に荷物を預けて今出川へ。相国寺の中を通って出町商店街まで歩く。禅寺の境内を自転車が走り抜けていく様は京都百景だと思う。家前庭園、家前ギャラリーが盛んなのも京都百景。

野呂本店へ。おかみさんも従業員さんも気さくで仲がよさそうだった。奈良漬けの古い立派な看板があったので奈良漬けが有名なのかと尋ねると、創業当時の看板を置いているだけとのこと。当時の大正時代は漬物と言ったら奈良漬のことであり、それ以外の華やかな漬物は昭和から出だしたものらしい。京都観光の歴史と関係のありそうな話で面白かった。一番人気は青てっぽうと長芋わさびだと言われたのでそれらを買う。

向かいの松本模型には京都市電の行き先案内などが置いてあった。コロナだしひやかしはやめてと書いてあったので外から眺める。出町の商店街を通り抜けると入り口には野菜や漬物の露店が出ていた。正月飾りの露店もあった。


コーヒーハウスマキで昼食。11時過ぎだったけれどもモーニングが頼めるようだったので和風たまごサンドと一緒にオーダー。分厚いトーストをくり抜いた中にポテトサラダと胡瓜とキャベツとハムとたまごが詰まっている。くり抜いたトーストの部分はきつね色。バターでてらてらと光っていて絵本にでてきそうだった。

商店街に戻りふたばで豆餅を三つ買う。年末ゆえ特別販売処ができており全く並ばずに買えた。ありがたい。


もう一度商店街を行ったり来たり。出町座の一階にある本屋のセレクトは今風でありながら骨太で血が通っていた。フェミニズム棚もありいい感じだった。他人のあれいいよ、これいいよが否応なく洪水のように流れ込んでくる時代だからこそ、こういう本屋が家のそばにあってくれたら心強いのにと思う。

岡田商会でコロッケを買う。熱々のカリカリというだけでコロッケは美味しい。いづもやで夜のために揚げ出し豆腐を買う。商店街は楽しい。年末だともっと楽しい。


鴨川を渡り右岸へ。下鴨神社の参道には初詣のために横断幕が掲げられていた。私の知らない年末の風景。それから鴨川に降りる。デルタで遊んでから神宮丸太町まで歩く。荒神橋の手前には白川の放流地があり、周辺の川底は白い砂で覆われていた。石垣島でみたような白い細かな砂粒が波打っていて、水は透明で海のように綺麗だった。そこから京大沿いを通りからふねやまで歩く。荒神橋を過ぎたところから見える東山は壁みたいにそり立っていて、東から見ていたなだらかな姿とは違っていた。


からふねやは二枚窓になっていて中央に枯山水風の庭がある。2階もある。時代が豊かだった頃の建物だ。観光客、京大の関係者であろうきっちりとした身なりのおじいさん、ボロボロの学生。京都の、この土地でないとありえない客層を眺めて旅をしていると思う。


206に乗って清水道まで。月屋は大正レトロで思った通りよいお宿だった。朝にはなかった正月のしつらえがあって、昨日スタッフで作ったのだと教えてもらった。晩ご飯に近くの招福亭へ。店員さんみんなが家族のようで温かかった。近所に住んでいる風の人もいたし、トランクを引く人もいたし、またお盆の頃に来ますと言って去るお客さんもいた。帰り際に子どもにビスコをもらう。


夜は部屋で出町で買った揚げ出し、唐揚げ、ふたばの豆餅。コンビニで買った発泡酒。久しぶりにテレビのない夜を過ごす。



2021/12/31

翌朝の朝ご飯は素朴でありながら手がこんでいた。田楽風のお豆腐にのったお味噌と白菜の浅漬けが美味しかったのでどこのものか尋ねると、どちらも手づくりだと教えてもらった。ここに泊まってよかったと思う。食べているうちに雪が降ってきた。雪の庭を観ながら朝ご飯を食べるのは非日常だった。

後に昨日行列していた今西軒へ。昨日よりは行列が短かったので並ぶ。おはぎ三種を買う。万寿寺通へ上がり田ごと製麺所で年越し用のにしんそばを買う。450円。


ぎりぎりまで月屋でごろごろしてチェックアウト。四条へ移動。豆英で山椒入りおかきと揚げイカとにしきあめを買う。お店のお父さんは陽気で、先日訪れた明石の富士の山菓舗のお父さんと雰囲気が似ていた。帰りに子どもにどうぞとファンタのおまけだったであろうコップをもらう。ミッキーの柄が飛び出すといった仕様のもので、色褪せ具合やファンタのロゴからいっておそらく私たちが小さい頃に製造されたものだった。こういうものがパッと出てきて、サッとくださるところがこういうお店のいいところだと思う。だから素朴で長く続いているお店が好きなのだ。


いつか年末の錦市場へ行ってみたかったので錦市場へ。烏丸側はそれほどだったが河原町に寄るほど人が増して途中で抜ける。錦天満宮は行列していた。

寺町を四条へ下がる。あまりにも寒かったので子ども用にブランケットを買おうと、今まで何度も前を通ったことはあるが一度も入ったことはない町の呉服店といった佇まいのお店へ入る。某名店のお店の方がお年賀のタオルを沢山買っていた。近々また店名入りのタオルを頼む機会があるらしくお店の方と相談していてそれを「装飾よりもタオルの素材を大切にする方向やね」とお店の方がまとめていて良かった。こうして馴染み同士で支えあって地域の店は成り立っている。


富美家もかねよもキムラも行列で途方に暮れていたところ目の前に乙羽寿司が現れて、そういえば寄ったことがなかったなと思い入店。看板メニューの蒸し寿司を頼む。蒸し上がるまで時間がかかるらしく、店の中にいる人がみんな何も食べていないのがおかしかった。お店の店員さんが雰囲気のいい気の利く人で、誰もイライラしている様子はなく、年末の高揚した空気の狭間のぽっかりとした時間を全員で分け合っている感じがよかった。蒸し寿司は美味しかったけれども小さかったので店を出た後、隣のロンドン焼きを一人一つずつ食べる。


グッドネイチャーステーションに寄ってみる。にしんそばが1200円で販売されていた。


八坂さんで大祓。帰宅し夜はにしんそば。翌朝はおはぎ。

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