過去と書くこと

ブックファーストを出たところで同居人から西村賢太さんの訃報を聞く。家に帰って本の雑誌のバックナンバーを開き「一私小説書きの日乗」をパラパラと読む。現在進行形の作家の日記として読むのと、既に死した作家の日記として読むのではまったく意味が変わってしまう。文字は書きつけた瞬間から過去になり、過去は誰かの目にふれた瞬間から物語になってしまうということ。


子どものことは今きちんと書き留めておかないと、後から何も思い出せなくなると分かっているのにこうやってディスプレイに向かうと何も書けなくなる。何かにつけて書きたくなる性分なのにどうしてなのか分からずもやもやする。

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