切実さ

朝から子どもと学生時代の友人宅へ。はじめての路線で、はじめての土地へ。やはり南の方は明るいなと思う。山に囲まれているのに光の明るさが海の近くのようだった。

主に子どもにかかりきりで、あまり腰を据えて話すことはできなかった。あの頃とはたしかに違う時代を自分は生きていると思う。会う前は、少しでも、あの頃より上手く心の内を話せるようになったと思っていたけれども全然だった。自分の話をするのは気恥ずかしく後ろめたく、こうして独りよがりの文章を書いてばかりだ。私はもっと素直に、格好つけず自分のことを話せるようになりたい。

私が何かに怯え、虚勢を張ってしまうのは、他者のことを知らないからなのだと思う。知らないから、自分はこうだと誰かが見ているような見ていないような場所で声高に叫んでしまう。

それでも人と会うのはいい。自分の思い込みが吹っ飛ぶ。地に足がつく。

足りないものは切実さ。川面のきらめきにすら涙するほどの。年月とともに失われていくもの。

0コメント

  • 1000 / 1000