奥行き

相変わらず京の記憶アーカイブで石井氏の写真群を見ている。写っている人たちはみなやわらかい表情をしている。カメラを向けられてかしこまっていたり、物珍しそうにこちらを見ていたり。明治大正の人たちも私のように生きてたんだなという当たり前といえば当たり前の感慨に耽る。風景にしてもそのときの空気感が伝わってくる。彼の写真には奥行きがある。それは彼が「撮ること」を愛していたからだと思う。

写真は星のひかりのようだ。たとえそれがもうそこになくても、私は写真をとおしてそれを知ることができる。私はそれを見て勝手に想像を膨らませて、明るい気持ちになったりする。そういう写真を私も撮りたい。

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