2022.01.31 12:06冬の光朝の十三。単行本に指を挟んで人々のあいだをすり抜けていく人。子どもを抱いてエスカレーターに乗っているスーツ姿の男性。腕にしがみつく子どもの瞳の下にくっついた氷のような涙。モノレールのホーム。どこかから漂ってくるコーヒーの匂い。真っ白な朝の光、夕方の空気にオレンジが溶けたような光。こんなにも豊かで美しい冬の光。この光景もいつか忘れられる。
2022.01.30 12:58余裕のなさ今日は朝から子どもと図書館へ行く。いつも買い物のついでにいくものだから絵本コーナーは入口あたりしか見ていなかったのだけれども、今日はぐるりと一周してみた。円形になった本棚があったり、名作絵本コーナーがあったり、新着図書のカバーが掲示してあったり、子どもコーナー独自の展示があったり。今まで何度も訪れてきたけれども一つも目に入ってなかった。(ちなみに君にぴったりの本を紹介してくれると言うロボホンがいた...
2022.01.29 15:42信用自由港書店さんへ「grapefruit.」をお預けしに行く。最近読んだ青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」に「社会は信用でできている」というフレーズがあった。ちょうど本を店頭に並べていただいたときに読んでいたものだから身に染みた。今まで自分はアンソロジーへの寄稿以外は全部自分の責任で小説を書いて本を作ってきた(と書くとかっこよく聞こえるけどただ好きなことを好きなようにやってきたというだけ)。良...
2022.01.26 15:21ゼロ年代の覚え書き 今週のタクティーの10minミックスはアニソン特集。一昨日の90年代、昨日のゼロ年代、今日の10年代といいすべて懐かしい。ゼロ年代後半あたりからいわゆる邦ロックの売れ始めのバンドがアニメの主題歌に起用され、それを聴いて思春期を過ごした私は軽音楽部に入部するわけだけれども、同期にはそれ以上にアニメ好きな子がたくさんいた。一つ上の代もそういう先輩はいたけれどもわたしたちの代より数は少なかったし、さらに...
2022.01.24 13:45honeycomb BOOKS*さんちかの古書即売会へ行く。下鴨の古本まつりに比べるとこぢんまりとした古本市だったけれども、それでもやっぱり自分にははかることのできない時間と場所を越えてきた書物たちに囲まれるのは眩暈がする。とうに色褪せたクリーム色、錆びた赤茶の滲み、毛筆体の背表紙のそれをほいほいカゴに入れている院生らしき男の子をみてまた眩暈がする。その中から見つけた、(多分)もう筆を置いてしまった(折ってしまったとは言いたくな...
2022.01.20 12:47前へ進む方法手紙を書き、宛名を書き、郵便局へ通う。自分の書いたものを読んでくれる人、作ったものを買ってくれる人、そんな人たちに誠実に丁寧に届けていくことが唯一の前へ進む方法なのだと思う。
2022.01.19 13:53夕日夕日を見て、夕日が綺麗だとは思うけれども、それよりも先回りして胸を塞いでしまうものがあった。次に自分が夕日を夕日のまま綺麗だと思える日はいつ来るのだろう。できることからやろうと思い、子どもが寝た後、積みあがっていた洗濯物をたたむ。
2022.01.17 13:09第6回文学フリマ京都に出店しました昨日(1/16)文学フリマ京都に出店しました。事前の宣伝をいいねやリツイートしてくださったみなさま、本をお買い上げくださったあなた、本を作られた作家さん、スタッフの皆様ありがとうございました。開場いちばんに来てくださりお手紙とお菓子をくださったhamapitoさん、ツイッター見てきてくださった方(フォローしてくださってるとおっしゃってたのでアカウント名きこうと思ったけどきけなかった……チキン)、見...
2022.01.15 15:00『Diary』あとがき『Diary』をお手にとってくださりありがとうございます。そしてこのあとがきまで読んでくださりとても嬉しいです。この話は過去の自分の日記を拾い集めて小説に仕立てたものです。私は学生時代、寮で暮らしていました。けれども就活を始めた頃にはもう退寮していました。学生時代の友人とガッキーのドラマに難癖つけたことはあれど、それも退寮後で、そもそも寮にテレビはありませんでした。物事の本質は物質そのものにあるか...