2022.04.29 15:41京都千年蔵実家へ帰る。子どもは日ごとに人見知り度が増している。母に会って泣いたときはどうしようかと思ったが、昼すぎには楽しく遊んでいてよかった。春のシャツにダウンを羽織り、夏のサンダルで犬の散歩へ出かけた。ちぐはぐな気候にマッチしているようで全然していなくて笑う。夜、京都千年蔵を観る。 山本読書室という、幕末にオープンデータを作ろうとした機関の話。出演者が豪華でさすがNHKと思う。ナビゲーターは主に磯田先生...
2022.04.28 13:40連休前私はこてんぱんにやっておきながら「これからも仲良くやっていきましょう」で締める仕草が本当に苦手だ、気持ち悪さすら覚える。これは強いものにしかできない仕草と思う。無意識の「こうしなければいけない」に気づき、離れていく作業。それは今まで築いてきたものを崩していくことと同じように思う。それでも残るものが死ぬまで握りしめているものなのだと思う。小説教室に通うことを考えはじめる。それにしてはどういう方向のも...
2022.04.27 14:15覚えること忘れること最近、キッチンに立つと子どもが隣に来るようになった。キッチンにあった何かを取ろうとするも届かなかったようで、「できないよ」と言った後、「届かないよ」と言い直した。教えられているわけでないのに、どの言葉をどう使うのが適切なのか、どうやって覚えていっているのだろうと思う。かくいう私はキッチンに置いていた「何か」をすでに思い出すことができない。忘れていくばかりだ。自分の小ささを知った日。
2022.04.26 13:26自然書いていた小説をいったんストップする。最後まで筋はできていて、後は塗り固めていくだけだったけれども、その段になって筆がのらなくなった。自分のためでなく、読んだ人に「こう思ってほしい」という気持ちの方が大きかったのだと思う。そうやって上から読者を見下ろすような、読者を低く見積もった作品は、自分だって嫌だ。出来上がった作品を、自分が読みたいとは思えなかった。自然な作品を読みたいし作りたい。誰かにこう思...
2022.04.25 13:31道を均すはじめて電動自転車で通勤する。3月にためしに漕いでいったときはいろんなものが新鮮に目に映ったけれども、今日はただ右に左にペダルを踏み、前を向いて走った。あの店に行きたい、あの道へ行ってみようか、そんな気持ちは自然と消えていく。自分の道を均していっているような感覚。新しい環境になって思ったのは、毎日新しい道や新しい場所を探していたら疲れるということ。ふとしたときに知らない道を見つけるから、そして思い...
2022.04.24 14:25島田潤一郎『古くてあたらしい仕事』大きな資本が小さなものの息を止める、大衆に寄せるか自分のやりたい方向で行くか。なんて現実はそんなに単純ではない。島田さんというひとりの人の目を通すから見えてくる、二項対立では捉えられない仕事をめぐる物事たち。読み終えた後、大きな世界の目線で小さい世界を捉えていた自分に気づく。『本屋さんしか行きたいとこがない』でも仰っていた「大きな世界ではやっていけなくても小さな世界ではやっていける、悲観することは...
2022.04.23 13:30真実久しぶりに友人と梅田で会うことになる。時間がくるまで紀伊國屋で時間を潰すこの感じ。ラインがきて互いの場所を思い集合場所を定めていくこの感じ。日本酒を飲みながら、共通の友人にラインを送る。その返信に大笑いする。私たちおんなじことを考えていたね、と。そんなことはない、同じわけない、簡単に共感するな、理解しあえるわけない。そんな声をどこかに吹き飛ばすような瞬間を、私は死ぬまで抱いていく。大切な人、大切な...
2022.04.22 14:28現実と物語今週の仕事が終わった。それはつまり朝ドラの終わり。月曜に起こった事件は金曜にヤマを終え次週へのヒキへとつながる。朝ドラは生活の伴走者。観賞後はツイッターで感想を検索する。「おじさんおばさん許せん!」ほんまに。「到着する時にはなかったバスのナンバープレートが次のシーンでは表示されている」ほんまや。共感したり、気づかなかったことを知ったり。楽しくみている。しかし今週、気になる動きがあった。それはいじめ...
2022.04.21 13:55ことば『カステーラのような明るい夜』に続き岩瀬崇『ことばの途上』を読んでいる。前書きに、本著に並べられる「ことば」は、エッセイや詩の形式を取ることもあれば、評論や格言めいたもの、時には書物からの引用文まで含んでおりP10とあるように、さまざまな形式のことば(日常風景をすくいとったものもある)が収められている。『カステーラのような明るい夜』もまた、日記のように日常から立ち上がったような詩が多くあり、日記と...
2022.04.20 12:46おまけ職場が変わりほとんど毎日コンビニへ寄るようになった。冷蔵庫に並んだペットボトルを眺めて、そういえば最近ペットボトル飲料におまけがついてないなと思う。学生時代、京都に来た頃、ちょうど今ぐらいの季節。午後の紅茶にキューポットのキーホルダーのおまけがついていた。マカロン、ドーナツ、ケーキ。それをみんなガラケーにつけていた。かわいかったなあ。小学生の頃はペプシマンを集めていた。近所に住んでいた友人と、近く...
2022.04.19 12:59尾形亀之助『カステーラのような明るい夜』読みながら浮かんだのは「生活に染みついた孤独」という言葉だった。編者の西尾勝彦さんははそれを「永遠の淋しさ」と表現されている。内から外へ向けた視線で描かれる詩は少し日記と似ていて、ときどきとぼけた顔を覗かせながらもどこか淋しい。何をしていても何を見ていても孤独はそこにあるのだと語る。そしてそれは現在自分が見ている景色に自然と重なっていく。印象に残った一篇の一部。花や星で飾った恋文の夜店を出して恋を...
2022.04.18 12:16新選組!と鎌倉殿の13人昨日の鎌倉殿の余韻で今日一日を過ごしていた。史料を尊重しながらめいっぱい物語をやる。本気で「史実では~」勢を殴りにきている姿勢がとにかく痛快。そして毎度、観終えるたびに歴史とは何かと考えてしまう。新選組で山南さん切腹回は死を受け渡す側もみんな涙してたのに、今回は逃げ惑う広常をみんな見て見ぬふりするというこの落差よ!と思っていたけれど根は同じと思った。視聴者の立場が静粛する側からされる側になっただけ...