2022.06.29 15:282022年上半期に読めてよかった10作品2022年上半期に読んだもののなかでよかったもの10作品。主に文芸系から選んで、再読と著者かぶりのものは除いています。1.永井玲衣「水中の哲学者たち」2.若松英輔「本を読めなくなった人のための読書論」3.島田潤一郎「古くてあたらしい仕事」4.山本 善行,清水 裕也「漱石全集を買った日―古書店主とお客さんによる古本入門」5.尾形亀之助「カステーラのような明るい夜」6.池田彩乃「発光」7.小手鞠るい「...
2022.06.28 12:52今日つぶやかなかったこと自分の主張をなきものにされること、歪められること。それが最大の苦痛であるというような描写に最近よく出会う。.舞妓さんにおけるあれこれに関して、ジロウさんのツイートがいちばんしっくりきた。感情や主義主張と切り離して物事を考え、それを言語化できる学者さんはすごいなと思っていたら、同じようなことがジロウさんの質問箱に寄せられていた。京都の裏側が暴露された!と騒ぐのもアレだけれども、この後に及んで「いやま...
2022.06.27 13:54うすら笑い子どもがしんどそうだったのと、私もしんどかったので仕事を休む。文藝夏号をパラパラと読む。柚木麻子さんとゆっきゅんの対談と、新胡桃さんの「何食わぬきみたちへ」、どちらも「うすら笑い」にどう相対するかという点で通じるようなところがあり良かった。「何食わぬきみたちへ」はうすら笑いの深層にメスを入れていく感じ(こちらはまだ途中)。対談はうすら笑いをどう受け止めどう切り返していくかというようなことが的確に言...
2022.06.26 13:53同じことをしている母と兄弟、そして子どもと姪っ子と出かける。人の話を聞かない、まったく噛み合わない母の振る舞いに、むかしは憤っていたけれども、今はもう、生まれた感情をしまっておくことができるし、しまったところで変に歪んだり爆発したりもしない。ただそれは「あったこと」として記憶され、この季節にしては涼しい風や美味しいご飯などとるに足らないことで上書きされ、しかし何かの拍子で思い出してしまうかもしれないという予感だけが...
2022.06.25 13:19Essential自由港書店さんにて今日マチ子さんのサイン会。あいかわらずの人見知りを発揮し、あまり記憶がないけれども、私の名前入りのサイン本は手元にあり、見るたび嬉しくなる。帰りの電車に乗った後、『冴子の東京物語』について、またこのstay home日記は写真を元に描かれているのか、はたまた記憶を元に描かれているのか、ききたかったことが色々と出てきて、電車を降りたくなる。後悔、後悔。しかし手にしたばかりの『Ess...
2022.06.24 14:02解像度短歌研究新人賞の選評について。一線で活躍されている批評家や作家さんの意見を見る。『タイム・スリップ芥川賞』を読んで覚えた、“芥川賞から見えてくる「文学」(文壇と言った方がよいのかしら)はほんとに一部の人(賢い男性)たちが作り上げてきたものなんだな”というボンヤリとした感慨の解像度があがる。感想全文は以下。
2022.06.23 13:04夏の輪郭コンビニを出た女の子たちが、路肩にとめたワンボックスカーへ駆けていく。幼いころの、夏のはじまりを思い出す。それは美しい景色を見つけようとする、美しく仕立てようとする、その隙間からこぼれていくものだった。
2022.06.22 14:03知りたいことは自分で決める6月に入ってからは短編を書いている。ゆっくり書いていたらもう6月も残り10日を切っていて驚く。そうして気づくのは、日々にゆとりがあるとどうしても誰かの怒りとか蔑みとかに気がいってしまうということ(とはいえ先月の切羽詰まった状態が健康的とは思わないけれども)。知らなければならないことなんてない。知るべきことだ、なんて誰かに決められることでもない。重要なのは、すべてを知ることでなく、知りたい範囲をコン...
2022.06.20 12:53知ること水上文さんの文芸季評が切れに切れており、ほんとうに面白いし、しっくりくるし、感服する。そして読み終える頃には必要に急かされるでなく、自然と、これ読みたいなという作品がいくつも見つかっている。強い言い方(というのは少し違うような気がするけれども)でも素直に受け取れるのは、根本が誠実だからだと思う。こうなるためにこれを読むみたいな、体系的な勉強の読書をすればもっと早く、もっと上手い小説が書けていたのか...
2022.06.19 14:08行動規範図書館で文藝春号夏号と向田邦子ベストエッセイを受け取り、古書店で京都の洋館と犬王を買う。帰ってから漬けていた梅シロップを解禁。今年はじめてのクーラーをいれた部屋で、レモン水で割って飲む。午後の光は夏の色をしていた。何もかもが自由で、どんな自分も肯定されるのなら、他者に対して誠実であることがたった一つの行動規範だと思った。
2022.06.17 14:07百合文芸こんな自分が何を言っても、上から目線とか余裕ぶっこいてとか逆に負け惜しみとか思われそうだ、いやそもそも我のツイートなど気にしている人などいない、などと肥大化した自意識がバヤイので百合文芸のことはツイッターではなく日記に書こうと決めていたのだけれども、たつたさんはじめ受賞者の方々のツイートを読んでついつぶやいてしまいました。一言でも踏み外せば、というか外さなくても「pixivから賞をもらっている」と...